庭の桜、隣の犬
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庭の桜、隣の犬 著者:角田 光代 |
35歳の房子と旦那の宗二のからっぽの夫婦の話。
房子はしょっちゅう実家に戻ってゴハンをもらっているような日々。忙しい宗二はなかなか家に帰れないことをきっかけにアパートを借りることに。
なんだか夫婦なのに、そこには愛情が見えなくて、二人はどこに行ってもゼロなんだよね、って言い合っているのがとってもむなしく、さみしい。
その周りの房子両親、宗二母や、宗二の浮気相手(!?)の若い女を通して、二人の関係が変わっていくのかと思いきや、なんだか最後になっても、飄々とした二人の関係は進展するでもなく、相変わらずの無関心に近い関係。
二人とも二人でいることによって何か変わるわけではなく、個人と個人がただ一緒にいるだけだから、何も変われないし生み出せないのだと思う。
人は人を好きになると、どうしようもない感情の高ぶりとかがあって、そんな自分に驚いたり自己嫌悪に陥ったりするんだけど、そういうのが見えないのだ。
「ビジョンがある」ことが重要だという宗二の言葉や、型にはまって「愛人との一戦」を演じる自分に期待してしまう房子の様子は滑稽だけど、役割や型にはまらないと生きていけない都会の現代人をある意味表しているような気がした。


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