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2007年6月

赤い靴

赤い長靴 Book 赤い長靴

著者:江國 香織
販売元:文藝春秋
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主人公は子供のいない主婦。

旦那とは話が「かみ合わない」。

旦那と一緒に過ごしているその時よりも、旦那がいない時に旦那のことを想う時にこそその存在に幸福を感じている。

こういう夫婦って、現代に多いのかもしれないと思った。

社会の中の枠組みの安定した位置を感じる時に、自分の存在意義を感じている。

夫自体を愛しているのではなく、「夫」という存在を愛してるんだ、きっと。

すごく寂しい夫婦。

そして、その問題にうすうす気づいていながらも、それを解決しようとしない主人公。

変わろうともしない、夫。

(夫の家族も似たようなもので、その問題自体に気づくことができない。)

人間って、寂しいね。

夫婦であっても、所詮別々の人間でしかないのだな、と思った。

私は嫌だな、きっとぶちまけちゃうな。

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間宮兄弟

間宮兄弟 Book 間宮兄弟

著者:江國 香織
販売元:小学館
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ああ、世の中にはちょろちょろいるんだろうなあ、というような冴えない独身男兄弟の話。

人間的にはきっと「良心的」で、親思いで、素敵なんだろうけど、きっと人として、恋愛対象としてみる時には決して魅力的とは言いがたい、でもそつのない人生を送っているのであろう間宮兄弟。

二人に女性が絡んでちょっとうまくいくんじゃないかと思われるけどやっぱり微妙な所で、そんな二人を本気で「魅力的だ」と思ってくれるところまでは至らない。

でも淡々とした二人の毎日の中にも、ちょっとした事件というか甘い香りのする出来事が起こるのは面白かった。

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東京タワー

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ Book 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

著者:リリー・フランキー
販売元:扶桑社
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「泣ける」と評判だったけど、私は泣けるどころか、結構がっかりしてしまった一冊。

確かに、ボクのオカンに対する深い愛情というか、恋しい気持ちはすごく伝わってくるんだけど、実際にやっていることは、大学に入ってもふらふらしていたり、まともに勉強しない、というようなばりばりモラトリアム時代を謳歌しているような腹立たしい(別にモラトリアムが悪いとは思ってないし、自分もある意味親に甘えて好き勝手なことをしていた時代があったわけだけど)ことを含んでいたりするので、純粋に、感動する物語としては受け入れられなかった。

私がヘンに潔癖症なのか!?

でも、思うんだ。

本当にお母さんのことを思って、恥じない生き方をしたいと思ったら、綱渡りのようなことはできないよね。

特に、お金の面で恥ずかしいこととかさ。

そういう意味で、リリーフランキーという人の一番純粋な面を押し出した一冊ではあるけど、それに感動したりはできなかった。

映画もドラマも舞台も見ていないので、なんとも言えないけど、とりあえず、書籍に関しては、ふ~ん、という感想。

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海 Book

著者:小川 洋子
販売元:新潮社
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短編集。7編。

それぞれの色が違って、統一感はない。

「博士の~」前後をはさんだものらしいから、ということもあるんだと思う。

一番気に入ったのは、最後の「ガイド」。

ガイドの母を持つ少年が、母の受け持つツアーで知り合った老人と過ごした一日を中心としたお話。

素直で一生懸命の少年と老人の心が通い合う様が印象に残った。

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ナタラージュ

ナラタージュ Book ナラタージュ

著者:島本 理生
販売元:角川書店
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忘れられない恋をつづる物語。

主人公が、ぐだぐだと昔の恋への未練を断ち切れない話かと思いきや、ずるいのは相手の「先生」のほうだった。

はっきりしないし、なんだかんだと理由をつけながら主人公の気持ちから逃げ続け、そのくせ完全に放っておいてもくれないという、本当にずるくてよわっちい男で、私ならきっと好きにならない!とか思いながらも一生懸命読んでいた。

そんな男でも主人公はやっぱり「惚れて」いるんだ。

そして、そんなずるい「先生」の心の中に自分という存在が確かにいたことを、ずっと後になってから思い知らされ、その現実にやっぱり心がどうしようもなく動いてしまう。

やっぱり人を好きになるってどうしようもない引力のようなもので、理屈じゃないんだな、って、思った。

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妊娠カレンダー

Book 妊娠カレンダー

著者:小川 洋子
販売元:文藝春秋
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同居する姉の妊娠後、その生活をつづっているんだけど、ほんとにちょっと残酷でブラックな表現が続く。

人間って基本的にブラックな想いを抱かずにはいられないんだよな、というのを思い出させてくれた。

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ミーナの行進

ミーナの行進 Book ミーナの行進

著者:小川 洋子
販売元:中央公論新社
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主人公の朋子が預けられた親戚のミーナの家での生活を淡々と綴っていく物語なんだけれど、その家族の描写と日常的な平和な風景がなぜか心に沁みた。

マッチ箱のイラストもとてもかわいくて、欲しい!と思いながらページをめくっていたし、謎の飲み物や電熱器のようなものも想像力をかきたててとても魅力的だった。

下手に感動させようとか、心理描写を重くしているのではなく、思春期を迎えた朋子の自然な気持ちと行動が、さわやかな風のように心に残ってきた。

当たり前にそこにある少女の頃の思い出という感じ。

読後感もとってもさわやかで、私にとっても忘れられない一冊になった。

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嫌われ松子の一生

嫌われ松子の一生 (上) Book 嫌われ松子の一生 (上)

著者:山田 宗樹
販売元:幻冬舎
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嫌われ松子の一生 (下) Book 嫌われ松子の一生 (下)

著者:山田 宗樹
販売元:幻冬舎
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なんでなんで!?と思うような運の悪い展開で、故郷を去らざるをえなかった松子。

その後も波乱万丈な人生を送り、最後は無残な死を遂げるわけだけど、それでもなんだか松子の生き方は不器用だけどそれなりに一生懸命で、共感した。

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ゴールデンタイム

ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生 Book ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生

著者:山田 宗樹
販売元:幻冬舎
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なんだか、どっかで聞いたことのある、「クサイ」話を、「嫌われ松子の一生」の登場人物を使って書いた、という感じがして、がっかりした。

特に、笙の演劇に目覚める話は、ありきたりというか、本当にどこかで読んだことのあるような感じで、オリジナリティがなかった。

わざわざ二人を登場させる意味がわからない・・・。

下手に続編みたいにしないほうがよかったのに。

せっかくの「嫌われ松子の一生」の存在を落としてしまってると、私は感じた。

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天使の梯子

天使の梯子 Book 天使の梯子

著者:村山 由佳
販売元:集英社
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10年前に(なんと高校生だ)読んだ「天使の卵」の続編。

結構この作者の物語は、鼻につくような美しすぎる恋愛ものが多いので、どうだろうと思ったんだけど、自然と読めた。

過去の辛い恋とできごとを絡めながら、新しい登場人物の主人公の男の子が一生懸命年上の「夏姫」を愛そうとする様子が若くてかわいかった。

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ドライブイン蒲生

ドライブイン蒲生 Book ドライブイン蒲生

著者:伊藤 たかみ
販売元:河出書房新社
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この作者の著者の共通点として、誰かとの関係の中で昔のことを思い出す、というストーリー形式を見た。

どの物語も、そうやって過去のことをいろいろ思い出しているだけ、といってしまえばそれまでなんだけれど、現在の自分と過去の出来事をいろいろ結び付けて考えているのが決して後ろ向きなんかじゃなくって返って現在の主人公の存在を浮き立たせているような気がして結構夢中になって読んでしまった。

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となりの姉妹

となりの姉妹 Book となりの姉妹

著者:長野 まゆみ
販売元:講談社
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なんでこのタイトルなの!?

という感じで、かなりいまいちな印象。

ぐだぐだしていて、よくわからなくなっちゃった。

会話が会話として書かれていないし、「そうぢゃない」の「ぢゃ」の表記が鬱陶しくて不快だった。

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桜ハウス

桜ハウス Book 桜ハウス

著者:藤堂 志津子
販売元:集英社
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「桜ハウス」に下宿する女性たちの物語。

それぞれがそれぞれに人生を生きている様子が自然体で描かれていてほほえましい。

気持ちのいい生き方だと思ったし、読んでいて気持ちよかった。

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ざらざら

ざらざら Book ざらざら

著者:川上 弘美
販売元:マガジンハウス
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やさしい短編集。

この人の作品は、あっちこっちどっかいっちゃってわけがわかんなくなることが多いんだけど、この本に載っている作品は、普通の世界の中で、自然体の女の人の物語がたくさんあって、肩に力が入っていないし、気持ちよく読めた。

私もこんな風に、自然に生きていきたい。

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憂鬱なハスビーン

憂鬱なハスビーン Book 憂鬱なハスビーン

著者:朝比奈 あすか
販売元:講談社
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エリートだったはずなのに、ちょっと足を踏み外してしまった女性の、ひねくれた日々をつづった物語。

気持ちはわからなくもないけど、もう一息、這い上がる時の勢いとか、開き直りを描いて欲しかった。

中途半端な印象。

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ひとかげ

ひとかげ Book ひとかげ

著者:よしもと ばなな
販売元:幻冬舎
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「とかげ」は随分前に読んだんだけど、あまり印象に残っていなくて、今回借り直して再読した。

その後、「ひとかげ」を読む。

どちらがいいかなんてなんとも言えない。

その時々の精一杯の「よしもとばなな」が書いたものだから。

でも、心にはすごく響いた。

生きることの力強さと、残酷さと。

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