ホテル・アイリス
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ホテル・アイリス (幻冬舎文庫) 著者:小川 洋子 |
ホテル・アイリスの一人娘「マリ」は、まるでグリム童話に出てくるような母(実母)にこきつかわれ、高校まで辞めて家業を手伝いその世界に閉じ込められている。
そんな日々が、ロシア翻訳家の老人との逢瀬によって歪んでいき、倒錯的な世界に踏み込んで戻れなくなっていく。
小川洋子の残酷な世界が広がっていてドキドキした。
老人によって、性に目覚め、虐げられることに快感を覚え、離れられなくなっていくマリ。
離れ島にある翻訳家の家で行われる秘密の行為がエスカレートしていくにしたがって、このまま破滅してしまうのが目に見えて怖くなってきた。
そして、翻訳家の血の繋がらない甥が、舌がなくしゃべることができない、という設定もなんとなく残酷で、常に何かダークな匂いを感じさせて目が離せなかった。
最後に翻訳家があっけなく死んでしまい、マリは「誘拐されていたずらされたかわいそうな少女」という形でおさまってしまったのがすごく意外で、あそこまで乱れた秘め事が本当に夢だったようになってしまったところにまた残酷さと物語のおもしろさを感じた。
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