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がらくた

がらくた Book がらくた

著者:江國 香織
販売元:新潮社
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柊子(45歳)と、海外で出会った少女、美海の二人を中心とした物語。

柊子と夫の関係は独特で、愛し合っているけれど、夫は恋人を持つことを常としていて、その愛人と3人で普通に飲みに行ったりもする。

柊子は夫にベタぼれで、夫の愛人の存在によって逆に自分と夫との愛の深さを確かめて安心したりしている。「赤い長靴」で江國香織が描いていた、「夫と離れている時ほど夫の存在を感じて誇らしくなる」気持ちと似ていると思った。

夫も平気でいろんな女性に手を出して、それを悪びれる風でもなく、逆にそれによって君への愛情が証明されるんだよ、とでも言いたげな余裕をかましている。

こんな微妙な関係、都会の裕福な人たちだからこそ成り立つ関係だとも思った。

人がそれぞれで自立しているから、個性という名前(!?)の元で、人の愛し方のオリジナリティも自分の中のパーソナリティとして含んで、堂々と生きていられるんだ。

理解はできないけれど、小説としては面白い。

美海だって、親が離婚して帰国子女だからちょっと変わっているなんてだけれは済まされない、個性的な少女だ。

ちょっと普通に恋をしているところもあるように思ったけれど、柊子に父と会う(=寝る)よう仕向けたり、結局最後には柊子の夫に処女をささげ、その上で「柊子さんと今度会うのが楽しみ」なんて言ってのける。

そうやってヒミツのようなうそ臭い顔をして、しらばっくれて重ねる人間関係って、私も経験したことはあるけれど、もし世の中がそういうものばかりになってしまったら、安心して生きていくことができなくなってしまうんではないかと思ってしまう。

したり顔の下にどんな想いを隠しているのか。

・・・でも、最近読んだ江國香織の小説の中ではすごく新鮮でとても面白かった。

(最近は入り組んでいて、でも落ちきらない、納得いかない小説が多いような気がしていたから)

すごく経済的に裕福な感じの人たちがたくさん出てくるんだよね、都会的な感じで。

こういうのを読んで面白い、とか共感できるのは、やっぱり私が東京で少し暮らしたことがあるというのも大きいような気がする。

ずっと田舎に住んでいたら、その閉鎖的な、他人行儀な空気を想像するのは難しすぎると思うから。

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